日本に帰って2週間ちょっと。やはり意識が変わっているので、いろいろ違和感を感じたりすることがあります。
とにかく道が狭い。そしてその道路際にそそり立つようにして家が建っています。バイクレーンがないから自転車が車道を走ったり歩道を走ったり。車でも歩いていても、かなりヒヤヒヤします。
車と言えば、やたら赤信号右折をしたくなります。右折はいつでも行ってよし、という意識が染み付いてしまったみたい。アメリカに居た時、家の近所に下の図のような形の道路があったのですが、一見早そうな1のルートより、2の右折2回のルートの方が早いことが多かったです。結局のところは1の方が信号が多いからなのですが、特にAの信号が赤の時は赤信号右折のおかげで2のルートの方が断然早くなっていました。
日本で電車に乗って改めて感じるのは、本当にいろんな人が使う「公共」交通機関なんだな、ということ。当たり前のことですが、若い人からお年寄りまでいろんな世代の人が乗っています。逆にDoor To Doorで通勤するアメリカでは、不特定多数の人を見かける機会が少ないということでもありますね。
あと、日本では接客業をしているのは若い女性が多い、ということ。レジ係、ウェイトレス、窓口など。カリフォルニアではヒスパニックの男性、女性が受け持っているパートです。東海岸にもちょっと行きましたが、そちらでは黒人の人たちが担当していました。日本の労働構造が改めて分かったという気がします。
期待しすぎてちょっとがっかりしたのは蕎麦。成田でさっそく食べたらイマイチでした。まあアメリカのものよりはいいのですが、おいしい蕎麦はちゃんとお店を選ばないとダメですね。渡米直後恋しかったウォシュレットも改めて使ってみるとそれほど感動的でもなかったです。1年でウォシュレットなしでもOKな尻になっていたらしい。
でも何気ないものが安くておいしかったりするのも事実。おいしいイタリアンのランチが、サラダ、パスタ、エスプレッソ付いて980円だった時、Palo Altoならチップ入れないで$20は下らないだろうなと思いました。食パンとか、和風ドレッシングとか、和菓子とか、どれを買ってもいい感じ。玉子かけご飯が食べられるのも幸せ。渡米前はうちの会社の社食はマズくて最悪と思っていたのに今は結構おいしく感じてしまっていて、何か不思議な感じです。
スタバが少ない(ベイエリアが異様に多いだけですが)。そしてちょっと高い。これも人件費の差なんでしょうね。日本も物価高になったと聞きますが、ガソリンや電気、水道を除くその他のものはPalo Altoより安く感じますけれど。
日本はサービスが良いと言われますが、これはまあそれなりかなという気も。むしろタクシーのドアが開いたり、CDやDVDのパッケージがヒモがついて開けやすかったりみたいな小さなカイゼンがうれしいです。日本は一度必要だと判定されたら、それが一気に広まるのが早いみたいですね。逆にそういう小さなメリットがほとんど無視されているアメリカ…。
そう言えば、1年も経つと駅の構造とかもすっかり忘れてしまうものです。通勤時間にホームから改札に向かう混んだエスカレータに行列していた時のこと。何か後ろの人にものすごく押されている感じがしました。なんでかな、と思ったら、どうも私が並んだところは行列の最後じゃなくて、途中で割り込んだ形になってしまっていたようです。
おそらくアメリカなら「そこ行列の最後じゃないよ」と明確に注意されるか、あるいは全く気にされないか、どちらかでしょう。言葉ではなく、さりげなく押されて「空気読め」的に注意される日本。ああそうだ、日本てこういう感じのところだった、と思った瞬間でした。
まあ、ベイエリア、シリコンバレーは世界的にも本当に特別な場所なのだと思います。優雅で治安がよく、人々もフレンドリー。気候も自然も素晴らしい。ぶつかりそうになるのをかわしながら駅のコンコースを歩いたりしていると、日本の窮屈さにげんなりしそうになります。
ただ、シリコンバレーに居て自分が特別なように感じるのは、場所の特別さに酔っているだけなのかな、という感じもします。久々の日本を新鮮に感じられるのを楽しみながら、カリフォルニアの優雅さを忘れないようにしたいと思っているこのごろです。
(Mura)

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